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【バックナンバーREVIEW No.0021】『特集 風雲よぶパ・リーグの覇権~南海・西鉄・阪急の三巴戦』【1958年9月3日号】

【バックナンバーREVIEW No.0021】『特集 風雲よぶパ・リーグの覇権~南海・西鉄・阪急の三巴戦』【1958年9月3日号】

2021.8.23

2018年に創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。すでに通算3700号を超えており、そのバックナンバーを『週刊ベースボールデジ放題』でデジタルアーカイブ化していく。ここでは、思い出の号を紹介していく。


※週刊ベースボールONLINE 2017年11月17日初出(一部修正)


■恒例の座談会は超豪華版

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 今回は『1958年9月3日号』。創刊第21号で定価30円。前回復活の中カラー見開きは『黄金の打者』と題し、巨人・長嶋茂雄登場。甲子園での打撃練習時の写真(絵)だ。


 巻頭グラビアも長嶋。『巨人打線火を吐く~長嶋20号ホーマー』のタイトルでセ・リーグのホームランダービートップを走る長嶋が20号本塁打を放ったシーンから始まる。以後、巨人打線、南海、西鉄と入っているが、ここであれっと思った。グラビアページが前週の6ページから10ページに増えていたのだ。果たして次号はどうなるのか?


 本文巻頭は『風雲よぶパ・リーグ覇者~南海・阪急・西鉄の三巴戦』。表紙は南海・野村克也だ。パで独走態勢だった南海が8月に入り、急失速。西鉄、阪急を交えた3強となった。南海失速は、新人ながら8月9日には21勝目を挙げていたサブマリン、杉浦忠にやや疲れが見えてきたのが原因のようだが、このペースで勝利を積み重ねてきた新人を誰も責められまい。


 この中で鼻息が荒いのは、いまだ優勝がなかった阪急。米田哲也、梶本隆夫のいわゆる“ヨネカジ”がフル回転し、台風の目になっていたようだ。


 以下『水原監督とその周辺』では首位を走りながらも球団フロントとの確執できな臭い巨人・水原円裕監督の周辺。ほか巨人を追う阪神の特集記事などもあった。


 今回は『12球団週間報告』から小ネタを2つ紹介する。1つは首位・南海の日系人選手、カールトン半田の好物の話だ。来日1年目の選手だが、球場食堂で試合前に必ず食べるのがうどん。ここまではふつうなのだが、半田はなんと、それにソースをかけるのだという。周囲は気持ち悪がったが、本人はいたってうまそうに食べていたらしい。


 また川崎球場が本拠地時代の大洋に、横浜から勧誘の手が伸びているという記事もあった。ご存じのとおり、大洋は78年から横浜に移転しているが、かなり早い時期から横浜市が動き出していたことが分かる。


 ちょうど40周年(実際には戦争の中断があったので40回大会)を迎えた夏の甲子園開幕の記事も掲載され、『甲子園球場のネット裏』としてプロのスカウトたちの動きを追った記事もある。最大の見ものはやはり早実・王貞治の争奪戦だった。阪神優位が伝えられていたが、ここに来て巨人、阪急が猛烈な攻勢。さらには早大進学の可能性まで出てきたという。時代は回る、ということか。


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